生まれ変わる太陽
占い師に言われた「あなたは太陽みたいな人だ」
気分を良くした俺は「俺は太陽だ」と今でもすっかりその気になっている。
12月21日は冬至だった。沖縄ではとぅんじーと言って、「太陽が生まれ変わる」日とあって、とぅんじーしょうぐゎち(冬至正月)とも言うそうだ。
実は最近三線を一から勉強し直している。野村監督が「一流にはなれないが超二流にはなれる」と言ったように、俺は超二流を目指すことにした。
三線の師匠は、屋良恒雄先生。屋良先生の師匠は、琉球音楽の祖とも言われている普久原朝喜。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%99%AE%E4%B9%85%E5%8E%9F%E6%9C%9D%E5%96%9C
「表面の音をださんよー、もっと中の音を出さんと」全くわからない。今まで三線を弾いてきたこと、ましてや俺も先生として生徒を持っていることが恥ずかしくなるくらいに、先生の三線がすごい!音も技も素晴らしいのだ。、
先生は彫刻家を目指して大阪に行ったらしい。公園でポロンポロンと三線を弾いていたら、普久原朝喜のお弟子さんと出会い、普久原先生のとこに連れて行かれたらしい。
今となっては、吉栄会3代目家元。
普久原朝喜先生の元に集まるお弟子さん達は皆名人級の人達ばかりだったそうだ。ただそれが仇となり、朝喜先生の技を真似ることができなかったそうだ。もうすっかり手癖がついてしまっていたのだ。まだ若かった屋良先生はどんどん吸収していくことができたらしい。
イントロ4小節の間に今まで見たことも聞いたこともない技が4つも5つも隠されている。「これは言わば秘伝の技だからよ、誰も知らんよー」って何食わぬ顔で弾いてみせる。
「今の子達の三線は、ただ早く弾くことだけ覚えて 間 がないわけよ。朝喜先生はこの 間 を大切にしたわけよ。」
ゾクゾクした。同時に俺の未来を感じた。これだ!これを習得するのだ。
太陽はまさに生まれ変わろうとしている。